安全度
以前より多方面から、「測定結果のデータ提供だけに終わらず、鋼管の余寿命を判断せよ」とのご指摘を頂いておりましたが、今回当社では道路反射鏡(カーブミラー)を例に取リ鋼管の取替時期の判断を行う基準を算出いたしました。 反射鏡の支柱に使用されている鋼管の肉厚が薄くなると設置基準として定められている安全度に対してどの程度影響を及ぼすのかを数値にて検討したものです。 以下に検討過程と結果を記します。道路標識、道路照明灯においても同様の基準を保有しております。
道路構造物用鋼管の腐食・減肉・測定値について
腐食により減肉が生じた鋼管の、肉厚測定値を活用した支柱の強度、判断基準を、下記の通り定めています。
道路反射鏡の支柱の肉厚については、 様々な数値から得られた支柱のモーメント(一定の風速に達した際に、支柱の基礎天端部分にかかる荷重)が2,400kg/c㎡未満である事を基準として、設置指針が定められています。 腐食とは別の考え方ですが、単純に肉厚の薄い支柱を使用した場合の、設計風速40m/secにおける支柱応力を「表1」の通り算出してみました。(反射鏡Φ800シングルの場合)
※安全率…1-(1886÷2400kg/c㎡) (社)日本道路協会 道路反射鏡設置指針により、定められている肉厚には、21.5%の上乗せ安全率が加算されたものであり、風圧以外の様々な外的要因にも対応できるよう設計されています。 当社では、測定により得られた減肉数値(単に○○m/m) t=○○m/mの鋼管を使用した場合の、風速との関係を示しただけであり、実際の減肉は腐食によるものです。 保守点検業務における、非破壊検査では、表面の錆をケレンして、肉厚の測定を行うが、鋼管内部の錆についてはケレンできないものであり、超音波厚さ測定器による測定数値には、+の誤差が生じていると考えます。また、腐食による減肉の場合、部分的には測定値より減肉の進んでいる箇所があります。 上記の理由により、測定により得られた値と安全率には、数値では現せない誤差が生じてきます。誤差を考慮した上で、下記「表2」の基準(目安)をもうけております。